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業務用ブロッコリーの生産性を高め大幅にコストを削減―全国平均の3倍収量を実現、輸入依存から国産化に期待:農業・食品産業技術総合研究機構

(2025年11月12日発表)

 (国)農業・食品産業技術総合研究機構は11月12日、野菜のブロッコリーを品種、作型別に選んで国内各地で栽培試験を実施し、全国平均の約3倍の収量が得られたと発表した。ブロッコリーの一斉収穫などの工夫によって農家の労働時間を半減し、大幅なコスト削減を実現した。輸入に依存していた加工・業務用のブロッコリーの国産化に目処がたったとみている。

 ブロッコリーは栄養価が高く人気のある野菜で、2026年には国が「指定野菜」に追加されることが決まっている。

 指定野菜とはキャベツやキュウリ、トマトなどと同様に消費量が増加することが見込まれる重要な野菜を指定することによって、生産と出荷の安定を図り消費者に安定的に国産野菜を供給するもの。ブロッコリーは15品目目となる。

 加工・業務用のブロッコリーは価格の安い輸入冷凍品への依存度が高かった。2024年は7.9万tに上り、この10年間で2倍以上に増加している。こうした輸入品と太刀打ちするために国産品の生産コストをいかに削減するか課題だった。

 また、加工・業務用のブロッコリーは、花を咲かせる前の花蕾(からい)を茎から切り離した小房(フローレット)で利用する。農研機構は花蕾の大型化を進めることで収量増加を推進している。さらに規格通りのサイズで収穫する必要がなくなれば省力化につながる。

 今回、神奈川、長野、愛媛、熊本など7県でブロッコリーの栽培試験を実施したところ、7県全てで全国平均の3倍以上となるフローレット収量を確認できた。

 ブロッコリーを一度にまとめて収穫する効率的な「一斉収穫」や、大小様々な大きさの花蕾を混在させて出荷する「混み玉出荷」によって、収穫と出荷の両方を合理化させた。これで農家の総労働時間を半減させ、出荷量も約20%増加させることができた。

 さらに消費地への搬送面でも、冷蔵トラック便や冷蔵庫の貯蔵の工夫によって、倉庫到着後1週間以上の日持ちができることを実証した。この結果、加工・業務用ブロッコリーの国産化を大きく進められると期待している。

青果用花蕾(12cm径)と加工・業務用の大型花蕾(21cm径)をフローレットに分解した様子(©農研機構)