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日本国内で採取された2種の「トリュフ」新種と確認―引き続き人工栽培技術の開発に取り組む:森林総合研究所

(2016年9月27日発表)

ホンセイヨウショウロ

 (国)森林総合研究所は9月27日、東京大学、菌類懇話会と共同で日本国内から採取された2種の「トリュフ」を新種と確認、それぞれ「ホンセイヨウショウロ」、「ウスキセイヨウショウロ」と命名したと発表した。

 トリュフは、キャビアやフォアグラと並ぶ世界三大珍味の一つとして知られるキノコ。新種と確認された2種の内ホンセイヨウショウロは、欧米の白トリュフ同様の香りがし、食用としての価値が期待され、日本各地に生育することから研究グループは引き続いてこの種の人工栽培技術の開発に取り組んでいくといっている。

 トリュフは、フランス料理などに欠かせない高級食材で、日本名を「西洋松露(せいようしょうろ)」という。

 トリュフは、石灰岩質の土に生えているカシやナラなどの広葉樹の根に共生して増殖する菌根菌と呼ばれる菌類の一つだが、キノコといっても見かけが普通のキノコとは全く異なる。外観は、球状や塊状になる。

 育つのも地面の上にではなく土の中。深さ50cmもの地中で育つものもある。そのため、見つけるのが難しく欧州の産地では、犬がトリュフの臭いを非常に好むのを利用して“ここ掘れワンワン”よろしく犬を使ってトリュフ狩りが行なわれている。

 日本でトリュフの生育が最初に発見されたのは長野県の飯縄高原で1981年のことといわれ、その後各地で見つかり、最近の遺伝子の研究によって日本にも20種以上存在する可能性があることが分かってきている。

 こうしたことから農林水産省は、昨年度から国産トリュフの人工栽培技術の開発を目指す研究プロジェクトをスタートさせている。

 しかし、国内のトリュフは、まだ名称すら付けられてないのが実情。研究グループは、今回それらの内の2種について、形態的、生態的、遺伝的特性を詳しく解析した。

 その結果、トリュフ内部の子のう内の胞子の数や胞子の表面構造などが他の種と異なっていることが判明、両種共これまで欧米では知られていない新たなグループに属すトリュフの新種であることを確認した。