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生態毒性予測システムを更新し、ネットで公開―新たに藻類や慢性毒性の予測も追加:環境省/国立環境研究所

(2018年3月29日発表)

 環境省と(国)国立環境研究所は329日、人や生物、環境に好ましくない影響を与える人工化学物質をインターネットで公開している「生態毒性予測システム(KATE(ケイト))」の更新版を公開した。これまでの魚類やミジンコに与える急性毒性の他に、藻類に与える毒性予測などを新たに追加した。化学物質の一部の構造を手がかりに、毒性を把握しやすいようにモデルを改良している。

 社会にはぼう大な数の化学物質が出回り、その数量は年毎に増大している。新たな化学物質を使った医薬品や農薬、化学製品などの製造は、「化学物質の審査および製造等の規制に関する法律」(化審法)で厳しく規制されている。

 化学物質のすべての有害情報のリスク評価をするにはコストと時間がかかるうえ、最近は動物愛護の観点から動物を使ったテストがやりにくくなっている。

 そこでこれまでは魚類やミジンコを使って殺虫剤などの影響を調べたものを2011年版「KATE2011」としてまとめ、公表してきた。

 今回はその後の新しいデータに基づき従来の化学物質の毒性予測精度を上げた。また除草剤の影響を予測するために藻類に与える影響も加えた。急性毒性では計398の新物質を加えたことで、扱っている物質数は約2倍に増えた。

 さらに低濃度であっても長期間にわたって影響を受けると、子供を産まなくなるような慢性毒性の予測を魚類とミジンコについて加えている。

 利用方法についても、化学物質の一部の構造を入力するだけで毒性の予測ができるなど操作性の向上も図っている。インターネットに試作版(β版)を公開したが、利用者からの要望を受けながら、より利用しやすいモデルに変えていくことにしている。