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「暗黒銀河」を観測する広視野超伝導電波カメラを試作―秋までに実機を開発、「南極テラヘルツ望遠鏡」計画に対応:筑波大学

(2017年4月17日発表)

 筑波大学は417日、なぞの「暗黒銀河」を観測する高精度電波望遠鏡用の「広視野超伝導電波カメラ」の試作に成功、次のステップの実機を開発するための資金調達を「クラウドファンディング」と呼ばれる寄附方式により行うと発表した。

 筑波大や国立天文台などが連携して建設を計画している広視野超伝導電波カメラを備えた「南極10mテラヘルツ望遠鏡」実現に向け1,000万円を目標に募集する。

 クラウドファンディングは、crowd(群衆)とfunding(資金調達)を組み合わせた世界的に注目されている造語で、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集める仕組みのこと。募集期間は、418日から630日午後11時まで。

 遠方宇宙は、観測が非常に難しく、これまでの光の観測からは理論的に予想されている銀河の13割しか見つかっていない。

 しかし、宇宙からのテラヘルツ(1テラヘルツは1兆ヘルツ)領域の電磁波をキャッチできる高精度なテラヘルツ望遠鏡が実現すれば残りの7割以上の行方不明の「暗黒銀河」を観測して銀河誕生の謎が解き明かせるものと期待されている。

 白い大陸と呼ばれる南極大陸の高原地帯は、気温が非常に低くて大気中の水蒸気が極端に少ないため、宇宙からのテラヘルツ波が大気にあまり吸収されずに地表まで届く。

 こうしたことから南極は、地球上で最も宇宙観測に適した場所とされ、筑波大の宇宙観測グループが中心となって進めている南極テラヘルツ望遠鏡計画は、南極内陸部の高原地帯に広視野超伝導電波カメラを備えた高精度の口径10mテラヘルツ望遠鏡を建設して可視光では見えない遠方宇宙の暗黒銀河などを観測しようというもので、その望遠鏡の20分の1模型が今年の3月茨城県つくば市のつくばエキスポセンター内に完成し、来館者に公開されている。

 計画では、今年の秋までに実際の望遠鏡に使える広視野超伝導電波カメラの実機第1号機を完成させ、それを国立天文台の野辺山45m電波望遠鏡(長野県)に搭載して天体の試験観測を行うことにしている。

 資金の寄附についての問い合わせなどは、筑波大数理物質エリア支援室(TEL:029-853-4026)が受け付けている。