[編集発行] (公財)つくば科学万博記念財団 [協力] 科学技術振興機構(JST)・文科省研究交流センター

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わかる科学

赤外線(せきがいせん)はあたたかい?

(2018年2月15日)

 冬になると赤外線という言葉を耳にしますが、赤外線ってなんのことか知っていますか?

 光には色々な種類があり、青や緑や赤といった可視光線(かしこうせん)、日焼けや皮膚癌の原因になる紫外線(しがいせん)、そして物を温めることができる赤外線があります。冬によく使う赤外線ストーブや料理に使うオーブンはこの赤外線を使っています。人間の体や料理に使う食材は赤外線を吸収しやすくなっているので赤外線で温めることができるのです。このような熱の伝わり方を放射(ほうしゃ)又は輻射(ふくしゃ)といいます。熱の伝わり方には他にも伝導(でんどう)と対流(たいりゅう)がありますが、それはまた別の機会にお伝えしましょう。
 赤外線を吸収する物質はいろいろありますが、今回は水を取り上げます。水は無色透明なように見えて実は少しだけ青い、いわゆる水色をしていることは皆さんもご存知かと思います。これは水が赤色をわずかに吸収しているからです。水は赤色と同様に赤外線も吸収しています。水が赤外線を吸収しているといってもよく分からないですよね。では、実際に赤外線が吸収されていることを確認してみましょう。
 用意するものは、水の入ったグラス、普通のカメラ、赤外線だけが写るカメラです。まず、普通のカメラで撮影してみます。すると反対側が透けて見えるのが分かります。次に赤外線だけが写るカメラで撮影してみると、なんと反対側が暗くて見えなくなってしまいました。赤外線が水に吸収されてしまったので反対側がカメラに写らなかったのですね。

水の入ったグラス(可視光(左)と赤外(右))

 ところで、可視光には赤や青や緑といった別の名称がるように、赤外線にも別の名称があります。それは、赤色に比較的近い近赤外線(きんせきがいせん)と少し遠い遠赤外線(えんせきがいせん)です。近赤外線は人の体や食材などに吸収されやすいので表面はすぐに温まるのですが内側まで届かないので内側はなかなか温まりません。これに対して遠赤外線は近赤外より吸収され難いので内側まで届いて内側もゆっくり温まります。遠赤外線で体の芯から温まるという言葉を耳にしますが、これは本当に体の内側を温めているのですね。
ちなみに、電子レンジは赤外線よりもさらに外側のマイクロ波というものを利用しており、水だけを効率よく温めることができます。とても効率よく温めることができるので料理には大変便利ですが、人体にはとても危険なので電子レンジの中には入らないでくださいね!

 

 

ペンネーム:シロカメ
 私たちの世界には、あらゆる色で溢れています。少しずつ沈みゆく日没の空を眺めながら、空や太陽の色の変化に見とれ、そして不思議だと感じた事はありますか?
コラムでは、そんな光の不思議について答えたいと思っています。
得意分野は電気と光。太陽エネルギーを測るのが仕事です。趣味はカメラ。