(独)農業・食品産業技術総合研究機構は9月25日、ダイズモザイク病に強く、大粒でタンパク質の含量が高い豆腐用大豆の新品種を開発したと発表した。
国産大豆の主な用途は、豆腐。その豆腐用国産大豆の品種としては、「エンレイ」、「スズユタカ」などがある。
しかし、代表的な高タンパク質品種として栽培されている「エンレイ」は、ダイズモザイクウイルスに対する抵抗性が不十分という難点を持っている。
また、「スズユタカ」は、ダイズモザイクウイルスに強い中粒種だが、タンパク質含量が低めなほか、湿害や連作などによる小粒化現象が起きている。
今回の新品種は、そうした問題の解決策として同機構の東北農業研究センター(岩手・盛岡)が開発したもので、名称は「里のほほえみ」。ダイズモザイクウイルス抵抗性の大豆「東北129号」を母、極大粒系統の「刈交0264MYF6」を父とした人工交配を行い、その後代について選抜と自殖を繰り返して実現した。
この「里のほほえみ」は、成熟期が「エンレイ」より1週間ほど遅い晩生なことから、南東北地方などが栽培適地という。
倒れにくいのもこの新品種の特徴で、機械化に向いていると同機構では見ている。
No.2009-38
2009年9月21日~2009年9月27日