(独)物質・材料研究機構は5月28日、合金鋼など3種類の金属材料の疲労特性を収録したデータシートを発行したと発表した。
同機構は、JIS(日本工業規格)の試験規格に基づいて測定した各種材料の特性データをデータシ-ト(データ集)として30年以上にわたって公表している。今回のデータシートも国内外の約660機関(国内460、国外200)に配布する予定で、機械や構造物の設計・材料選択などに活用してほしいといっている。
今回発行したのは、「疲労データシートNo.106」、「同107」、「同108」の3種。
高速で回転する機械や自動車、車両などに使われる高強度鋼では、1,000万サイクルを超える超高サイクル域での疲労破壊が問題になる。疲労データシートNo.106は、機械構造用合金鋼SCM440の100億サイクルまでの疲労特性を明らかにしている。
また、疲労データシートNo.107は、航空機をはじめ軽量高強度機械部品などに多用されているチタン合金の中で最も汎用性の高いチタン・アルミ・バナジウム合金(Ti-6Al-4V合金)について100億サイクルまでの疲労特性を掲載している。
一方、疲労データシートNo.108は、ビル、橋、船舶、車両などに使われる溶接性に優れた溶接構造用圧延鋼に関するもので、板厚80mmの材料の1億サイクルまでの疲労特性を載せている。
No.2009-21
2009年5月25日~2009年5月31日