(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)、(独)国立環境研究所、環境省は5月28日、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)を使って観測したCO2(二酸化炭素)とメタンの初の解析結果を発表した。今年1月23日にJAXA種子島宇宙センター(鹿児島)から打ち上げた「いぶき」は、現在、JAXAと環境研の手で、搭載センサーの初期校正や計算処理システムの調整作業の途上にあるが、今回の成果をふまえ両機関はさらにデータの校正・検証などを進め、順次、観測データ、解析結果などを一般に配布することにしている。 平成21年4月20日から28日までの9日間に陸上の晴天観測点で観測したCO2とメタンの初解析結果によると、地表面だけでなく上空までの空気全量に対する両気体の平均濃度は、概ね従来の地上観測による結果と整合していた。しかし、未校正の観測データを用いた解析結果であることと、観測時に中国大陸上で黄砂の発生が見られ、アフリカでも砂塵や煙のようなものの発生があった。これらは、比較的大きな誤差になるため、さらに調査・検討が必要という。 今後は、観測データの校正、処理結果の精度確認、地上からの観測との比較など、検証作業を行い、今年の10月下旬から校正済みの観測スペクトルデータや観測画像データを登録されたユーザ-に配布する予定。さらに、温室効果ガス濃度の月別分布を作成して、「いぶき」による温室効果ガス濃度データと地上付近で測定された濃度データとを併せた全球(全地球)の地域別炭素収支の推定を行う方針。 詳細はこちら |  |
「いぶき」が捉えたCO2の初解析結果(提供:宇宙航空研究開発機構) |
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