(独)産業技術総合研究所は4月1日、水深500~1,000mの海底に大量に存在するといわれる未来資源のメタンハイドレートから天然ガスを商業生産するのに必要な技術の研究開発を進めるため、同日付けで「メタンハイドレート研究センター」を設立したと発表した。
メタンハイドレートは、メタンと水からできている固体で、体積の約160倍のメタンガスを含んでいるといわれる。そのため新たな天然ガス資源として期待され、日本の周辺海域でも南海トラフ、日本海、北海道周辺などで存在が確認されており、三重県沖から静岡県沖にかけての東部南海トラフだけで我が国の天然ガス消費量の13年分に当たる1兆1,400億m3が眠っていると見られている。
こうしたことから、経済産業省が商業生産のための技術整備を目標とした「メタンハイドレート開発促進事業」を開始しており、同研究所は同事業に参加してエネルギー効率の高い生産手法として「減圧法」と呼ぶ方法をすでに開発している。
今回設立したメタンハイドレート研究センターは、天然ガスを安定して大量生産する高度生産手法の開発や信頼性の高い生産性予測技術(生産シミュレーター)の開発などに取り組み、総合的な実験設備を持つ同研究所の北海道センター(札幌市)と、つくばセンター西事業所(茨城・つくば市)が研究開発に当たる。
また、産業界、大学、海外などの主要研究機関からなる「メタンハイドレート研究アライアンス」を組織してメタンハイドレート研究の中核的拠点になることを目指す、としている。
No.2009-13
2009年3月30日~2009年4月5日