(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月9日、今年1月に打ち上げた温室効果ガス観測技術衛星「いぶき(GOSAT)」搭載の観測センサーの立ち上げを行い、初の観測データを取得したと発表した。
「いぶき」は、JAXAが環境省、国立環境研究所と共同で開発した重さ約1.75tの中型衛星。1月23日にJAXAの種子島宇宙センター(鹿児島)から「HII-A」ロケット15号機で打ち上げた。地球温暖化の原因とされる大気中の二酸化炭素(CO2)とメタンが特定波長の赤外線を吸収する性質を利用して、この二つのガスの濃度を高度約680kmの宇宙から観測するのが目的で、一つのセンサーによって地球の約5万6000地点の濃度をほぼ3日おきに測定することを目指している。
打ち上げ後、計画通り姿勢制御系、通信系などの初期機能確認が進み、その初期機能確認の一環として搭載する温室効果ガス観測センサーと雲・エアロゾルセンサーの立ち上げを行ったところ、期待通り観測データの取得に成功したもの。
初期機能確認は、打ち上げ後3カ月間続けられ、その後JAXA、環境省、国立環境研究所が共同で地上での観測データとの比較を行うデータの精度確認やデータ補正などを実施する初期校正検証作業に進む。
No.2009-6
2009年2月9日~2009年2月15日