(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月12日、次世代の新大型ロケット「H-IIB」を三菱重工業(株)名古屋航空宇宙システム製作所飛島工場(愛知・飛島村)で報道陣に公開した。 H-IIBは、現在のJAXAの主力ロケット「H-IIA」の約2倍の打ち上げ能力を目指し開発してきた2段式ロケット。今年の夏期(7~9月)には、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」に補給物資を運ぶ「HTV」(宇宙ステーション補給機)を搭載した初号機(1号機)が打ち上げられる予定になっている。 プレス公開は、そのH-IIB初号機の1段目と2段目で、製作した飛島工場のクリーンルーム内にそれぞれ横置きにした状態で行われた。 H-IIBロケットの推進薬(燃料)は、1、2段共、液体水素と液体酸素。1段目は、直径5.2m、長さは38.2mにも達し、H-IIAの1段目では1基だったエンジンが2基付く。打ち上げの際は、1段目の周囲に4本のブースター(固体ロケット)が付き、高度300kmの低軌道に最大19t、36,000kmの静止軌道に同8tの人工衛星などを打ち上げる能力を目指している。この打ち上げ能力は、H-IIAのそれぞれ約2倍にあたる。 H-IIBロケット初号機は、プレス公開後、JAXAの種子島宇宙センター(鹿児島)に船で運ばれ、エンジンテストをはじめとする各種試験、組み立てを経て、今年夏期に同センターの吉信射点からHTV(全長約10m、直径同4.4m、自重10.5t)実証機を搭載して打ち上げられる予定。HTVは、ISSの日本人宇宙飛行士用の実験機器、食料など補給物資を最大で約6t積み込むことができる。 JAXAは、H-IIBロケットを使って今後HTVを年間1~2機のペースで打ち上げることを計画している。 詳細はこちら |  | |
後方から見た横置き状態のH-IIBロケット1段目。赤いカバーのかかっている部分が2基のエンジン(提供:宇宙航空研究開発機構) |
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