「J-PARC」で陽子を最初の目標値まで加速することに成功
:高エネルギー加速器研究機構

 高エネルギー加速器研究機構(KEK)は12月24日、運転を開始した大強度陽子加速器施設「J-PARC」で12月23日、陽子(水素の原子核)ビームを最初の目標である30ギガ電子ボルト(300億電子ボルト)まで加速することに成功したと発表した。
 同施設の陽子加速器は、初段加速器の「リニアック(線形加速器)」と2段目、3段目の2つの「シンクロトロン(円形加速器)」の計3基の加速器で構成され、最終段にあたる3段目のシンクロトロンは直径約500m、1周同1,600mという我が国最大の陽子加速器で、陽子を光速の約99.98%のスピードにまで加速することを目指している。
 その最終段の加速器の「50ギガ電子ボルト(500億電子ボルト)シンクロトロン」で、陽子を30ギガ電子ボルトまで加速したもの。
 50ギガ電子ボルトシンクロトロンは、2008年5月に陽子ビームを周回させることに成功、その後機器群を設置し、12月22日から陽子ビームの加速調整に入っていた。今回の成功をふまえ、さらに陽子ビームの調整を続け、2009年4月から陽子ビームの取り出しを計画している。

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