「J-PARC」で最初のミュオンビーム発生に成功
:高エネルギー加速器研究機構/日本原子力研究開発機構

 高エネルギー加速器研究機構と(独)日本原子力研究開発機構は9月26日、両機関が共同で東海村(茨城)に建設中の大強度陽子加速器施設「J-PARC」で同日、ミュオンビームを発生させることに成功したと発表した。
 ミュオンは、中間子が崩壊してできる素粒子。今後、調整運転、試験的利用に進むが、今回の成功で平成21年4月からのミュオンビームの本格利用に目途がついたとしている。
 J-PARCは、加速した陽子を原子核に衝突させることで発生するミュオン、中性子、中間子、ニュートリノなどを使って物質・生命科学、原子核・素粒子物理学などの最先端の研究を行うことを目指している。たとえば、電子の200倍の質量を持つミュオンは、厚さ数mmから数cmの材料を貫通する力を持つことから、非破壊で材料内部の元素分析が行えるようになる。
 今回のミュオンビームは、光速近くまで加速した陽子を黒鉛の標的に衝突させて作った。J-PARCは、これまでの国内の装置より約100倍強力なミュオンビームを発生させることができるという。

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