(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月9日、平成22年度に「H-IIA」ロケットで打ち上げる金星探査機「PLANET-C」に相乗りする小型副衛星4基を発表した。
相乗りするのは、早稲田大学、鹿児島大学、創価大学開発の、いずれも重さ1~2kgで軌道高度約300kmの地球周回衛星3基と、東京大学など20の大学・高専が参加するUNISEC(大学宇宙工学コンソーシアム)が開発する重さ約15kgの「UNITEC-1」。
この内、「UNITEC-1」は、金星に向かう軌道に投入される。JAXAやNASA(米航空宇宙局)のような国の宇宙機関以外の人工天体が金星を目指すのは世界でも初めて。
「UNITEC-1」との相乗り衛星は、JAXAが今年4月に公募した。5月の締め切りまでに4件の応募があり、書類審査や個別ヒヤリングを経て今度の発表となった。各衛星の概略は次の通り。
▼UNITEC-1(UNISEC):一辺約35cmの立方体。重さ約15kg。UNISEC参加の大学・高専開発の宇宙用コンピューターを複数台搭載、深宇宙環境下で正常に動作を続ける性能を競う。UNITEC-1が発信する微弱電波の世界のアマチュア無線家による競争的受信も。
▼WASEDA-SAT2(早稲田大学):一辺約10cmの立方体。重さ約2kg。QRコードの撮影実験、学生などへの画像提供などを行う。
▼大気水蒸気観測衛星(鹿児島大学):一辺約10cmの立方体。重さ約1.5kg。集中豪雨予測を目指した大気水蒸気分布観測実験、マイクロ波帯高速通信による地球動画撮影、超小型測位衛星のための通信基礎実験を行う。
▼Negai☆”(創価大学):一辺約10cmの立方体。重さ約1kg。スラバヤ工科大学(インドネシア)と衛星運用を共有。Negai☆”カードを子供たちに返信。民生品を用いた先進情報処理システムの宇宙実証を行う。
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