稲発酵粗飼料用の試料採取器を開発
:農業・食品産業技術総合研究機構/広島県立総合技術研究所など

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構は13日、広島県立総合技術研究所などと共同で、畜産農家などに搬入される稲発酵粗飼料のロールベール(梱包)を解体することなく、分析用試料を簡単に採取できる「フィードサンプラー」を開発したと発表した。開発に参加した農業機器メーカーの藤原製作所(東京・北区)が市販する予定。
  稲をポリエチレンフィルムで梱包したロールベール内で発酵させてサイレージ(発酵飼料)にする稲発酵粗飼料が注目されているが、牛への給与にあたっては飼料成分を近赤外線を使って分析する必要がある。
 現在は、ロールベールを解体して試料採取しており、畜産農家に搬入される多数のロールベールからサンプルを採取するのに多くの手間がかかっている。
 これに対し広島県は、代表サンプルを採取できるドリル式のサンプリング法を開発した。その技術を元に、同機構の中央農業総合研究センターは、コアサンプラーの刃先を交換可能にすると共に、サンプラーの筒と回転シャフトを脱着可能にし、試料の取り出しをより簡単にできるよう改良した「フィードサンプラー」を共同で完成したもの。
 市販の電動ドリル(700W以上)に装着でき、稲・牧草などの植物体を効率良く切断できる特殊刃が回転しながら分析用試料を採取するので、あらゆるロールベールサイレージに適用でき、正確なサンプリングが可能になった。

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