月周回衛星「かぐや」が「地球の出」、「地球の入り」の撮影に成功
:宇宙航空研究開発機構/日本放送協会

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と日本放送協会(NHK)は11月13日、月の上空約100kmの軌道を回る月周回衛星「かぐや」からハイビジョンカメラによる「地球の出」、「地球の入り」の動画撮影に世界で初めて成功したと発表した。
 「かぐや」は、10月18日に月の周りを回る観測軌道に投入され、その後約2時間で月を周回している。撮影は、「かぐや」に搭載されたNHK開発の宇宙仕様のハイビジョンカメラにより行われた。撮影された動画画像は、JAXAの臼田宇宙空間観測所(長野県)で受信し、その後NHKでデータ処理を行った。
 公開された画像には、11月7日14時52分(日本時間)に撮影された「地球の出」の動画の一部と、11月7日12時07分(日本時間)に撮影された「地球の入り」の動画の一部を、それぞれ静止画像として切り出したものがある。月面越しに地球が昇っていく「地球の出」の動画は、1969年にアポロ11号が初めて撮影して以来だが、今回ハイビジョンカメラ(「望遠」と「広角」の二つのモード)による撮影に世界で初めて成功した。また、約38万km隔てた遠い宇宙から地球をハイビジョンで撮影したのも世界で初めて。
 「地球の出」の画像では、写っている月面は北極付近で、地球にはアラビア半島やインド洋が見える。「地球の入り」の画像では、月面は南極付近で、地球の中央左にオーストラリア大陸、右下にアジア大陸が見える。

詳しくはこちら

「かぐや」から撮影した「地球の入り」(提供:宇宙航空研究開発機構/日本放送協会)