(独)産業技術総合研究所は11月12日、複数の高精細映像の位置や大きさを自由にレイアウトして表示することができる超高精細映像処理装置を開発したと発表した。同装置は、任意の表示画素数に対応可能で、デジタルシネマ(フィルム無しの映画=4,096×2,160画素)にも、NHKが開発中のスーパーハイビジョン(7,690×4,320画素)や、それ以上の画素数にも対応できる。
この新装置の映像は、表示領域ごとに分割処理しており、単位映像処理ユニットなどの追加で、表示画素数を大幅に増加できる。論理回路に書き換え可能な集積回路を用いているので、必要に応じ、クロマキー(映像の一部を透明にし、そこに別の映像をはめ込む技術)の様な機能の追加もできる。映像の拡大・縮小・重ね合わせ等の画面制御はソフトウエアで行う。4,000画素程度のシステムでは、装置をパソコンほどの大きさにでき、消費電力も200ワット程度。
表示用出力数は、基板を追加すれば増やせるので、複数のディスプレイを用いた巨大スクリーンも構成でき、スポーツスタジアムでの大型マルチビジョンから、自動車や住宅などを販売する際の超高精細電子カタログなど新しい用途への発展が期待される。
この成果は横浜の横浜國際平和会議場で11月14~16日まで開催された「組み込み総合技術展(ET2007)」に出展された。
No.2007-45
2007年11月12日~2007年11月18日