デバイス用大面積酸化亜鉛ウエハーの製造技術を開発
:物質・材料研究機構/三菱ガス化学

 (独)物質・材料研究機構は8月28日、三菱ガス化学(株)と共同でマグネシウムなどを加えたデバイス用大面積酸化亜鉛ウエハー(基板)の製造技術を開発したと発表した。
 酸化亜鉛は、可視光と紫外線の境にあたる光を出す性質があり、新しいオプトエレクトロニクス(光電子工学)材料として注目され、良質なウエハーが求められている。酸化亜鉛は、窒化ガリウムと同じ結晶構造を持ち、安価で扱い易いことからディスプレーの電極材料や発光ダイオード(LED)用材料として期待されているが、商品化されているのは絶縁性の純粋な酸化亜鉛単結晶だけ。酸化亜鉛をデバイス材料に応用するためには、不純物を添加したウエハーが必要で、その開発が待たれていた。
 今回の成果は、デバイス用大面積酸化亜鉛ウエハーを「液相エピタキシー法」によって作る方法を確立したもの。
液相エピタキシー法は、融剤と呼ばれる低融点材料を溶融し、その融液に育成したい結晶の原料を溶解させ、融液表面にウエハー材料を接することで目的の結晶を成長させる方法。 融剤中に酸化亜鉛以外に、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどの原料を供給し、この融液に純酸化亜鉛の単結晶ウエハーを接することで、添加物や不純物を加えた酸化亜鉛を純酸化亜鉛ウエハー上に高品質に成長させることができる。
 この新製法によるデバイス用酸化亜鉛ウエハーは、三菱ガス化学がサンプル出荷する。

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