(独)産業技術総合研究所は11月28日、東横化学(株)と共同で、磁気共鳴画像診断撮影装置(MRI)の感度を高めるキセノンガスを効率よく発生させる装置を開発したと発表した。
MRIは、測定対象を傷つけることなく内部の断面状態を画像化できることから、医療現場や産業現場で広く使われている。新技術は、石英製の窓を通してキセノンガスの流れにレーザー光を照射してMRIに適した「超偏極」と呼ばれる特殊な状態のキセノンガスを得るというもの。産総研と東横化学は、ステンレスを使うなどして耐久性を高め実用化にめどをつけた。
磁場の中に置いた透明な石英製のセル(容器)内を流れるキセノンガスに特殊なレーザー光を当てキセノンを超偏極状態にもっていく方式で、超偏極キセノンガスを連続して生産できる。多孔質材料の空孔サイズ分布の計測や医療用MRIの高度化などへの応用が期待される。