(独)防災科学技術研究所は11月29日、四国から東海地方に大きな被害をもたらす恐れがあると心配されている「南海・東南海地震」の想定震源域より深い部分で周期が約20秒の新たな「ゆっくり地震」が起きていることを発見したと発表した。
ゆっくり地震は、人体には全く感じないほどの非常に微弱な振動が継続する現象で、「深部超低周波地震」と呼ばれ、海側から陸側に沈み込むプレート(岩板)によってプレートの境界に生じるひずみが解放されることで発生する。今回発見したゆっくり地震は、深さ約35kmのプレート境界部で発生し、規模は最大でマグニチュード(M)3.5程度。
南海・東南海地震の想定震源域付近では、これまでに2つのタイプのゆっくり地震が見つかっている。これら様々なゆっくり地震の存在は、プレート境界の多様性を示すもので、同研究所では「南海・東南海地震の発生を予測する上でゆっくり地震の定常的な調査研究は非常に重要」と見ている。
No.2006-4
2006年11月27日~2006年12月3日