(国)筑波大学は10月28日、わが国でも肝臓移植後の患者に慢性E型肝炎感染者が発生していることが全国スクリーニング調査で分かったと発表した。
E型肝炎は、E型肝炎ウイルス(HEV)により肝臓に炎症が生じ肝細胞の破壊、肝機能の低下が起こる病気。発展途上国への旅行者が持ち帰る感染症といわれているが、近年、欧州諸国を中心に臓器移植後のHEV慢性感染が相次いで発生し問題になっている。
しかし、アジア諸国ではこれまで本格的な調査が行われておらず、日本でも臓器移植後患者のHEV慢性感染の実態調査が全国規模で実施されたのは今度が初めて。
今回の調査は、筑波大学など全国17の大学の医療施設の肝移植後患者1651人を対象に行ったもので、2人の慢性E型肝炎感染が確認され、2人ともHEVの感染源が輸血製剤であることが判明したとしている。