
新たに導入したスーパーコンピューターの外観(提供:(国)国立環境研究所)
(国)国立環境研究所は5月29日、高速・大容量の新スーパーコンピューターの設置が終わり、6月1日から稼働を始めると発表した。
新スパコンは、日本電気(NEC)(株)が2013年11月から発売している「SX‐ACE」。このスパコンは、超高速な並列処理を必要とする科学技術計算や、大規模データを扱うシミュレーションなどに向いたベクトル型スパコンで、既に大学や研究機関が使っている。
同研究所は、気候変動予測の信頼性を高めるための研究をはじめ、人工衛星で得られた膨大な温室効果ガスに関する観測データの処理、惑星大気の数値計算など、スパコンでしかできないさまざまな分野の研究に取り組んでおり、これまでNEC製のスパコン「SX‐9」を使ってきたが、より高性能化が必要となり「SX‐ACE」に切り替えたもの。
新スパコン「SX‐ACE」は、ノード数で従前の「SX‐9」の48倍ものコンピューター、6倍の主記憶装置(全メモリー)、12倍のCPU(中央演算処理装置)を搭載し、同研究所によると「計算速度は『SX‐9』の7.5倍」に達するという。
同研究所は、新スパコンシステムを今年度14の研究テーマに使うことにしている。