
宇宙での曝露実験に使われる「ExHAM(エックスハム)」(提供:JAXA)
(国)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5月28日、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟に簡易型船外実験装置を取り付け、衛星用新材料などを宇宙環境にさらす暴露実験を開始したと発表した。
■炭素質ナノ粒子の風化や有機物・微生物の曝露も
簡易暴露実験装置は「ExHAM(エックスハム)」と呼ばれ、直方体状の装置の上面と側面に、計20個の実験サンプルを搭載し、宇宙の暴露環境を利用した各種の実験が行えるようになっている。
日本時間の26日夕方、ExHAMを「きぼう」日本実験棟のエアロックから船外に搬出し、ロボットアーム先端の子アームでつかみ、日本実験棟の船外実験プラットフォーム上のハンドレール(手すり)にセットした。
これまで暴露実験装置をISSの船外に設置するには宇宙飛行士による船外活動が必要だったが、「きぼう」のエアロック、ボットアームシステムを活用することにより、船外活動をせずとも簡易暴露実験を可能にした。
第1回目の今回は、宇宙での利用を目指した先端材料の暴露、炭素質ナノ粒子の宇宙での風化実験、高度250km以下という衛星としては極めて低高度軌道を回る人工衛星用新材料の暴露実験、有機物・微生物の宇宙暴露などを行う。