(独)農業環境技術研究所は2月20日、農地の土壌に含まれる炭素の増減と、農地からの温室効果ガス排出量を同時に計算することができるウエブサイトを公開したと発表した。
同研究所は、2013年の10月に農地の土壌に蓄積される二酸化炭素(CO2)量が計算できるウエブサイトを公開している。今回のウエブサイトは、それに続く“第2弾”で、機能をさらに拡張した。
農作物増産のため農地に投入する有機物(堆肥など)の量を増やし土壌中の炭素量を増やすと、その分大気中に放出されるCO2が減少する。それを「土壌の炭素貯留」と呼び、近年地球温暖化の緩和策の一つとして期待されている。
ところが、土壌の炭素量を増加させる農地管理を行うと、メタンや一酸化二窒素(N2O)などの温室効果ガスの発生量が増えてしまう。
このため、CO2だけでなく、これらトレード・オフの関係にある温室効果ガスの発生にも注意を向ける必要がある。
今回公開されたウエブサイトは、そのトレード・オフを考慮して温室効果ガス削減効果を総合的に評価できるようにしたもので、同研究所は「農家や行政、生産者団体などが、農地管理による温室効果ガス削減の効果を簡単に試算できる」としている。