(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月21日、静かな超音速機研究の一環としてスウェーデンで行なった試験機の飛行試験に失敗し、2回目の飛行試験を延期することにしたと発表した。
ジェット機が音速を超える時に発するソニックブームと呼ばれる衝撃音を低くする低ソニックブーム設計を実証するためJAXAは、フィンランド国境に近いスウェーデン北部のスウェーデン宇宙公社(SSC)エスレンジ実験場上空で試験機による1回目の飛行試験を8月16日(現地時間)に行なった。
その飛行試験は、気球に吊るした全長約8m、重さ約1tの試験機を高度約3万mの高空で切り離して滑空させ、超音速になった時のソニックブームを計測するというものだったが、予定の飛行経路から外れて約8km手前に着地してしまい、計測されたソニックブームの波形が想定していたデータにならなかった。
このため、JAXAは、航空本部の事業推進部長をチーム長とする調査・対策チームを立ち上げ、試験機が想定飛行経路から外れた原因の究明を進めているが、まだ原因特定にまで至っていない。こうしたことからJAXAは、2回目の飛行試験が困難と判断し、延期を決めた。
No.2013-33
2013年8月19日~2013年8月25日