(独)産業技術総合研究所は8月19日、年齢や障害の有無に応じて視覚・聴覚・触覚の感覚特性を引き出すことができる「高齢者・障害者の感覚特性データベース」を構築、ウェブ上で一般公開したと発表した。様々な人々に対応した製品の設計や環境づくりなどに役立つという。
■延べ3,000人以上の間隔特性を測定
産総研は過去15年以上にわたり、延べ3,000人以上の高齢者、障害者を対象に、視覚、聴覚、触覚などの感覚特性を測定してきた。また、こうした特性を取り込んで様々な人々に対応した製品を設計する、いわゆるアクセシブルデザイン技術の開発を推進、その成果は「高齢者・障害者配慮設計指針」としてJIS(日本工業規格)になったり、ISO(国際標準化機構)規格に一部取り入れられたりしている。
今回はそれらを踏まえ、測定した特性のうち社会的に需要が高いものをデータベース化し、一般公開した。
公開データベースは、下の表のように16のデータ項目からなり、視覚については「可読文字サイズ」「文章の文字間・行間余白設計」など8項目、聴覚は「年齢別聴覚閾値分布」「音声アナウンスの聴取音量」など7項目、触覚は「触覚記号・文字の判読率」の1項目。
例えば「可読文字サイズ」の項目では、年齢、視距離、輝度、文字種を指定すると、その条件に応じた「読み取り可能な最小文字サイズ」、「読みやすい文字サイズ」などが表示される。
産総研では今後、利用者からの反応を参考に、未発表データの整備や新項目の追加などの拡充を進めるとしている。
