(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月10日、平成25年度の「文部科学大臣表彰」で、同機構の2件の研究成果「超広角コンプトンカメラの研究」と「IKAROS(イカロス)によるソーラー電力セイルの実証に関する研究」で6人が「科学技術賞」を受賞したと発表した。
「超広角コンプトンカメラの研究」は、同機構宇宙科学研究所の高橋忠幸教授らの成果で、ガンマ線を放出する放射性物質の分布を可視化するカメラを開発した。この超広角コンプトンカメラは、従来のガンマカメラより格段に広い視野(ほぼ180度)で放射性セシウムの分布を画像化できる特徴を持ち、東京電力福島第一原発事故で計画的避難区域に指定されている福島県飯館村の放射性セシウム分布の高精度画像化に成功。この研究で宇宙科学研究所・高橋忠幸教授、同・渡辺伸助教、同・武田伸一郎研究員の3人が受賞した。
また、「IKAROSによるソーラー電力セイルの実証に関する研究」の受賞は、2010年5月に「H-ⅡA」ロケットで打ち上げた超薄膜の帆を広げ太陽光圧を受けて進むソーラーセイル(太陽帆)宇宙機「IKAROS」が、世界初の惑星間ソーラーセイル宇宙機としてギネス世界記録に認定されたことが評価された。これにより、月・惑星探査プログラムグループ研究開発室・森治助教、同・津田雄一助教、同・澤田弘崇開発員の3人が受賞した。
No.2013-14
2013年4月8日~2013年4月14日