(独)農業・食品産業技術総合研究機構の果樹研究所は11月17日、今年の春各地で発生した露地栽培ニホンナシの発芽不良について調査結果を発表した。
発芽不良とは、発芽遅れ、芽枯れ、枝枯れなどの症状をさし、昨年の春、露地栽培のニホンナシで初めて発生。今春も昨年に引き続き九州地方の暖地を中心にいくつかの産地で発生した。
今回の調査は、各都道府県の全域を対象としたものではないが、47都道府県の果樹関係公立研究機関の協力を得て行った。発生原因としては、芽や枝の凍害に加え、「自発休眠覚醒不良」と呼ばれる休眠から覚めにくくなる現象があったと見られること、多くの発生地域で秋から冬にかけての気温が平年より高く推移し、特に2月が顕著に高かったことが挙げられるとし、「秋冬季の高温が今後も継続的に発生した場合、発芽不良の発生が慢性化する恐れもある」と警鐘を鳴らしている。
No.2010-45
2010年11月15日~2010年11月21日