植生が多様だとソバの実りが良くなることが判明
:森林総合研究所

 (独)森林総合研究所は11月16日、周囲に森林や草地など多様な植生が豊富にあるソバ畑では、ソバの結実率が良いという調査結果が得られたと発表した。農作物の生産にも周囲の生態系が密接に関わり、生物多様性が収穫を左右していることが裏付けられたとしている。
 調査は、茨城県常陸太田市に散在する周辺環境の異なるソバ畑を対象に、花を訪れる昆虫の種類や数、ソバの実のつき具合(結実率)などを調べた。ソバの実のつき具合は、雄しべから雌しべへの花粉の媒介がうまくいくかどうかにかかっている。この花粉媒介は、ハチ、アリ、ハエ、ハナアブ、ハナムグリなどの昆虫が担っている。
 調査の結果、森林や草地など生物多様性の高い植生が周りに豊富なソバ畑では、花粉を媒介する昆虫の数が多く、昆虫の数が多い畑ではソバの結実率が良いという結果が得られたという。山里の森林を守ることが生態系サービスを守ることにつながる一例が示されたとしている。

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