高CO2濃度下で稲がどう育つか実際の水田で実験
:農業環境技術研究所

 (独)農業環境技術研究所は6月10日、つくばみらい市(茨城)の水田を使って開始した大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が水稲の生育・収量にどのような変化を及ぼすか調べる生育実験の現場を報道陣に公開した。
 温室などでの実験結果から高CO2濃度下では、光合成速度が高まり、農作物の生育・収量は増加すると見られている。こうしたことから、それを実際の圃場で調べる「開放系大気CO2増加実験(FACE実験)」と呼ばれる栽培実験が注目されている。
 日本は、水稲のFACE実験を世界で最初に行った国で、東北農業研究センターが雫石(しずくいし)町(岩手)の水田で1998年から3年間実施しており、CO2増加で水稲の生長が促進され、モミの数が増えることを確認している。
 今回の生育実験は、それに続くもので、約1,800m2の水田を同研究所が借りて実施。タンクからのCO2を水田内に配置したパイプの微細な穴から噴射して人工的に周囲のCO2濃度を高めて約30品種の水稲を育て、生育・収量に及ぼす影響を詳しく調べる。収穫時期は、10月上旬の見通し。生育実験は、今年度から5年間行う計画。

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