準天頂衛星初号機「みちびき」の打ち上げ、8月2日に決定
:宇宙航空研究開発機構/三菱重工業

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(株)は6月9日、準天頂衛星初号機「みちびき」を8月2日に同機構種子島宇宙センター鹿児島・種子島)から「H-IIA」ロケット18号機で打ち上げると発表した。
 準天頂衛星システムは、日本のほぼ天頂(真上)を通る軌道を持つ人工衛星を複数機組み合わせた衛星システムで、常に1機の人工衛星を日本の上空に配置することができる。人工衛星がほぼ真上に位置することで、これまでGPS(全地球測位システム)衛星の電波による測位が難しかった山間部や大都市の高層ビル街などでも、準天頂衛星の信号を加えることで、測位できる場所と時間を広げることができ、日本全国をほぼ100%カバーする高精度の衛星測位サービスの提供が可能となる。
 発表によると、準天頂衛星初号機「みちびき」を搭載する「H-IIA」18号機は、8月2日(月)午後10時54分から午後11時54分までの間に打ち上げられる予定。
 打ち上げ用ロケットの「H-IIA」は、我が国初の純国産ロケットである「H-II」ロケットで培われた技術をもとに開発された日本の主力大型ロケットで、直径が約4m、全高は約53mもある。
 準天頂衛星システムの開発計画では、まず第1段階として準天頂衛星初号機「みちびき」により、GPS衛星が発する電波を観測して位置を決定するシステムを補完・補強する技術実証や利用実証を行う。さらに第1段階の結果の評価を行った上で、初号機を含めた3機の準天頂衛星によるシステム実証を行う第2段階へ進むことになっている。
 衛星測位システムは、これまで測地・測量やカーナビなど幅広い分野に利用され、生活になくてはならないものになってきている。今後、準天頂衛星を利用した高精度測位実験システムの研究により、将来の衛星測位システムの更なる拡大につなげていきたいと考えられている。

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軌道上の準天頂衛星「みちびき」の想像図(提供:宇宙航空研究開発機構)