(独)産業技術総合研究所は6月9日、(株)KDDI研究所と共同で、コンピューターウイルスの侵入などを即時に遮断する超高速ネットワーク用セキュリティー装置を開発したと発表した。 情報通信は、現代社会の主要な柱になっているが、コンピューターウイルスなど悪意のある通信による被害などが大きな社会問題になっている。このため、情報通信サービスやデータセンターなどの超高速ネットワーク分野では、悪意のある通信をエンドユーザーに渡る前に遮断する技術の開発が望まれている。 新開発のセキュリティー装置は、悪意ある通信をユーザーに届く前に自動で遮断でき、毎秒数十ギガ(1ギガは10億)~数テラ(1テラは1兆)ビットの超高速ネットワークに使える。 新装置は、論理回路の書き換えが可能な「FPGA」と呼ばれるLSI(大規模集積回路)チップを使った1秒間に伝送できるビット数が60ギガビットの光通信機能を持つ「FPGAボード」を使い、有害サイトの遮断、ネットワーク侵入の遮断、コンピューターウイルスの遮断などを実現した。 同研究所は、「コンパクトかつ省電力でありながら、毎秒テラビットの超高速ネットワークに対応できることが実証された」としており、今後引き続き実際の使用状況を模擬した試験を行い、製品化を目指す予定。 詳しくはこちら |  |
FPGAボード。大きさは、15cm×27cm(提供:産業技術総合研究所) |
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