(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5月24日、陸域観測技術衛星「だいち」が捉えたポーランドの洪水被害の緊急観測結果を公開した。 ポーランド南部は、5月初めから長雨に見舞われ、古都として知られるクラクフの近郊では過去10年で最大級という大洪水が発生した。今回の緊急観測は、「だいち」搭載の「高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)」と呼ばれる光学センセーを使って行った。 「だいち」は、2006年1月24日、同機構の種子島宇宙センター(鹿児島・種子島)から「H-ⅡA」ロケット8号機で打ち上げた陸地を観測する重さ約4tの人工衛星。3つの観測センサーを搭載し、今回の観測に使ったその内の1つ「アブニール・ツー」は、地上にある10mの物体を識別できる能力を持つ。 写真は、「だいち」から、グラクフの東約52kmにある町を流れるビスワ川流域を約20km×20kmの範囲で捉えたもので、洪水発生直後の5月21日に写したのが上。同じエリアを4月12日に撮った画像(下)と比べ、ビスワ川の川幅が大きく広がり、東側の畑へ広く氾濫している様子がハッキリと分かる。 詳しくはこちら |  |
上が洪水発生直後。下は洪水前(提供:宇宙航空研究開発機構) |
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