(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月21日、小惑星探査機「はやぶさ」の搭載カプセルが日本時間の6月13日午後11時過ぎに地球大気圏に再突入し、オーストラリアのウーメラ砂漠での着陸・回収を目指すと発表した。 オーストラリア政府のウーメラ砂漠着陸許可は、既に得ている。2003年5月に打ち上げられた「はやぶさ」は、2005年9月に地球と火星の間を回る小惑星「イトカワ」周辺に到着、同年11月には着陸して岩石などの採取を試みており、カプセルが無事回収されれば世界初の小惑星のナマ資料入手となる。 「はやぶさ」は、今年3月からイオンエンジンの連続運転をやめ、確実に地球周辺に到達する軌道を飛行している。同機構は、「はやぶさ」のカプセルを正しくウーメラ砂漠に着陸させるため、今後数回の軌道修正を行い、地球大気圏再突入の3時間前にカプセルを分離して落下傘降下させ、地表で回収する計画。「はやぶさ」探査機本体は、大気圏再突入後の大気との摩擦で燃え尽きると見られている。 「はやぶさ」は、「イトカワ」の探査を終えて帰路についた直後、姿勢制御用エンジンの燃料漏れなどの深刻なトラブルが発生し、「イトカワ」探査は足かけ7年の大旅行になってしまった。 これまでに人類は、月から天体サンプルを持ち帰っているが、月は変成してしまっているので、太陽系初期の頃の物質については知ることができない。それに対し、小惑星は、惑星が誕生した頃の記録を比較的良く留めている化石のようなものといえる。このため、小惑星からサンプルが持ち帰れれば、「惑星を作る素になった材料は何か」とか、「惑星が誕生する頃の太陽系星雲内の様子はどうだったか」といった疑問を解き明かす手がかりが得られるものと期待されている。 詳しくはこちら |