(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3 月31 日、地球周回軌道を回っている国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」で「第2期利用後半期間(2012年度頃)」に行う科学分野の実験の候補、19テーマを選定したと発表した。
内訳は、生命科学分野が15件、物質科学分野が4件。個々のテーマについて今後1年程度、同機構と代表研究者が連携して実験計画の具体化を進め、2012年度前半に「きぼう」の船内実験室に持ち込み軌道上実験を実施、地上に回収して解析を行う計画。
今回のテーマ募集は、昨年5月から8月まで行われ、合計68件(生命科学分野47件、物質科学分野21件)の応募があった。専門家による科学的意義の評価などを経て、今年3月15日の「国際宇宙ステーション・きぼう利用推進委員会」(外部有識者による同機構の諮問委員会)で審議し、19テーマの候補を選んだ。
候補テーマには、生命科学分野として▽宇宙環境における線虫の老化研究、▽微小重力がメダカの破骨に与える影響と重力関知機構の解析、▽メダカを用いた宇宙環境における突然変異生成の解析、▽メダカの宇宙環境影響調査、▽万能細胞(ES細胞、iPS細胞)を用いた宇宙環境が生殖細胞に及ぼす影響の研究、などが含まれ、物質科学分野では▽レーザー光回折による微小重力下でのコロイド結晶の構造解析と粒子間相互作用の研究、などが入っている。
No.2010-13
2010年3月29日~2010年4月4日