筑波技術大学は3月10日、同大学の聴覚障害学生向け授業においてエリア・ワンセグを活用した「手話・字幕情報配信実験」を開始したと発表した。三友(株)、(株)日立システムアンドサービスと共同で来年の2月まで続ける。
エリア・ワンセグは、狭いエリアに限定して独自の映像やデータを配信するサービスのこと。今回の実験は、総務省関東総合通信局から実験試験局の免許交付を受け、聴覚障害学生が学ぶ筑波技術大学内に無線局を設けてエリア・ワンセグを活用した手話・字幕情報の配信実験を行うというもの。
聴覚障害を持つ学生が高等教育を受ける際に直面する最も困難なことは、情報授受の障害。実験では、授業の内容を伝える手段としてワンセグの映像と字幕部分を利用し、聴覚障害学生に授業内容を配信する。
学生側の受信する端末には、携帯型ゲーム機の「ニンテンドーDS」や携帯電話などを使い、画面上部に手話通訳などの映像を、画面下部に文字通訳情報を字幕で、それぞれ表示する。受講者は、エリア内であれば自由な場所で情報取得できる。
同大学は、4月から始まる平成22年度の授業に年間を通じてこのエリア・ワンセグ活用の授業を実施していく計画。
No.2010-10
2010年3月8日~2010年3月14日