太陽の南極・北極域に強い磁場が存在することを発見
:宇宙航空研究開発機構/国立天文台/米国航空宇宙局/英国科学技術会議/欧州宇宙機関

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と国立天文台は3月9日、米国航空宇宙局(NASA)、英国科学技術会議、欧州宇宙機関と共同で、JAXAの太陽観測衛星「ひので」を使い太陽の南極、北極付近に強い磁場が存在することを発見したと発表した。
 「ひので」は、2006年9月23日にJAXAの内之浦宇宙空間観測所(鹿児島)から打ち上げた重さ900kgの衛星で、3種類の先進的な望遠鏡を搭載している。今回の成果は、その一つ、太陽表面の磁場を詳細に測定できる「可視光・磁場望遠鏡」を使って得たもの。
 これまで、太陽の極域には弱い磁場しか存在しないと考えられていた。日米欧の国際研究チームは、「ひので」の可視光・磁場望遠鏡によって太陽の極域の鮮明な画像を世界で初めて得ることに成功。その画像から太陽の南極・北極域には、太陽黒点の10分の1程度の大きさの斑点状の磁場が点在し、黒点並みの1,000ガウスを超える強い磁場があることを突き止めた。
 太陽の外側には、100万度を超える超高温の太陽大気(コロナ)が拡がっている。今回の発見により、コロナの理解などが進むものと期待される。

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太陽観測衛星「ひので」(提供:宇宙航空研究開発機構)