国土交通省の国土技術政策総合研究所は3月2日、コンクリート部材の中に埋め込んだIC(集積回路)からの情報を読み取る実験をつくば市(茨城)の同研究所で報道陣に公開した。
2008年6月、使用が認められていない材料を混入した生コンクリートが出荷されていたことが発覚、大きな社会問題になったのが契機となって、使用材料、配合などの各種情報を記録した「無線ICタグ」と呼ばれるICチップをコンクリート製品中に埋め込んでおいていつでも跡をたどれるようにするトレーサビリティ(追跡可能性)技術確立の研究が2009年8月から同研究所をはじめ広島大学、(独)建築研究所、5つの生コンクリート工業組合の手で進められている。
すでに、無線ICタグを埋め込んだ小型のコンクリート試験体を使っての実験で埋め込み深さが5cm程度であれば読み取りが可能であることを確認済みで、今回の実験は柱や床を模擬した大型コンクリート試験体に市販の無線ICタグを埋め込み、より深部での読み取りを目指して行われた。
公開実験では、コンクリート部材表面から25cmの深さまで読み取りが可能であることが確認された。今後さらにICタグの改良などを進め、同30cm程度までもっていきたいとしている。
No.2010-9
2010年3月1日~2010年3月7日