(独)農業・食品産業技術総合研究機構は2月8日、酪農家から出る高濃度の有機性排水を浄化するシステムを北海道大学、北海道立根釧農業試験場などと共同で開発したと発表した。
このシステムは、「人工湿地システム」といい、糞尿や牛乳などを含む高濃度汚水を寒冷地でも低コストで省力的に通年処理できる。凍結を回避する構造や、水に浮かぶガラスのリサイクル資材や発泡コンクリートで作った軽量浮遊資材の活用により北海道の厳寒期でも使えるようにした。
処理水は、河川への放流が可能で、ろ過の過程で回収されるリンは肥料として利用できる。
道内で行った現地試験では、酪農排水中の有機物を90%以上、窒素やリンを60~80%除去できることを確認している。
コスト的にも優れ、50~400頭の牛舎から出る排水を対象とした場合で、運転費用を既存の機械的排水処理法の5分の1未満にできるという。
No.2010-6
2010年2月8日~2010年2月14日