第3の酵素、「ハイブリッド酵素」を発見
:筑波大学/構造生物学研究センター(フランス)/東京大学

 筑波大学は2月10日、フランスのグルノーブルにある構造生物学研究センター、東京大学と共同で新しいタイプの酵素を発見したと発表した。
 酵素は、生物の体内で様々な生体反応を担っている。その酵素は、全てタンパク質と考えられていたが、1980年代になってRNA(リボ核酸)の中にも酵素の働きをする分子が発見され、それを「リボザイム(RNA酵素)」と呼ぶ。
 今回発見された酵素は、それに続く「第3の新たな酵素」で、正式名称を「リボザイム/タンパク質・ハイブリッド触媒」、略称を「ハイブリッド酵素」という。リボザイムでありながら、それに結合するタンパク質がそのすぐ近くで「手助け」をし、RNAとタンパク質の密接な共同作業によって一層効率的な反応を起こす機能を持ち、同大学の超並列コンピューターなどを駆使して見つけた。
 同大学では、「このハイブリッド酵素は医学・薬学などへの応用のみならず、生命の進化とも深い関係を持ち生命の起源の解明にも大きく寄与するものと期待される」といっている。
 この研究成果は、2月5日付けの米国化学会誌「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ」のオンライン版に掲載された。

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