陸域観測技術衛星「だいち」でハイチ地震の被害域などを緊急観測:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月19日、カリブ海のハイチで日本時間の1月13日朝に発生したマグニチュード7.0の地震の被災域などを明らかにするため、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)のレーダーを使って実施した緊急観測の結果をインターネットで公開したと発表した。
 観測は、昼夜・天候にかかわらずに陸地観測できるレーダー(PALSAR:パルサー)で、震央から少し西の領域を1月16日夜、南から北に通過した時に行なった。この時撮った画像と昨年2月28日に同じ軌道をパスした時に撮った画像とを比較、今度の地震による地表の被害域と地殻変動の検出を試みた。同機構は、今後も「だいち」によるハイチ地震に関係する観測を続ける。
 被害域検出では、地震前後の同一地域の画像を、それぞれ違う色に着色し、2枚の画像の変化から被害の有無を判定した。たとえば、今度の地震の震央の西に位置する海に面した町「グラン・ゴアーブ」付近と、そこから約10km西の「ブティ=ゴアーブ」付近の状況を拡大図で見ると、グラン・ゴアーブの方が被災域が大きいことが分る。
 地殻変動については、地震前後に得た同一地域からのレーダー電波反射による地表と衛星間の距離の違いを調べた。その結果、震央から西に約20km離れた海岸では、「だいち」に対して約34.5cm近づく西向きの水平変動、または地表の隆起が起きたと推定された。
 「だいち」は、約4年前の2006年1月24日に同機構が「H-ⅡA」ロケットで打ち上げた重さ約4tの世界最大級の地球観測衛星。PALSARなど3種類の観測機器を搭載、地表の基準点などに頼らず、25,000分の1の地図が作成可能な地形データを収集することができる。地球の南北極付近を通る高度約700kmの軌道を約99分で一周し、46日ごとに同一地点上空を通るのが特徴。既に3年間の定常運用を終え、後期運用の段階にある。

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ハイチ地震被災域の緊急観測を行った陸域観測技術衛星「だいち」(提供:宇宙航空研究開発機構)