病害虫に強く味の良いメロンの新品種を開発
:野菜茶業研究所/萩原農場生産研究所

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構の野菜茶業研究所は10月19日、(株)萩原農場生産研究所と共同で病害と害虫に抵抗性があって、味の良いアールス系メロンの新品種を開発したと発表した。
 メロンの中でも“メロンの王様”といわれるのがアールス系メロンで、マスクメロンのこと。新品種は、病害虫に対する抵抗性と果実の日持ち性が向上したことから、ギリシャ語で「飛躍」という意味の「アルシス」と名付けた。
 メロンの産地では、葉や茎がうどん粉をかけたように白くなって生育不良を起こす「うどん粉病」、つるや茎が枯れてしまう「つる割病(つるわれびょう)」といった病害や、ワタアブラムシなどの害虫の発生が大きな問題になっている。
 新開発の「アルシス」は、萩原農場生産研究所が育成した日持ち性の良い「HGMP-2」と呼ばれる系統を種子親、うどん粉病・つる割病・ワタアブラムシに抵抗性がある野菜茶業研究所育成の「AnMP-5」という系統を花粉親とするF1品種(雑種第一代)。うどん粉病・つる割病に抵抗性があり、ワタアブラムシが増殖しにくいことを確認している。
 既存の代表的アールス系メロン「雅春秋系(みやびしゅんじゅうけい)」と比べ糖度、日持ち性とも同等かやや優れ、果実の重さも1,800g程度でほぼ同等という。
 すでに品種登録出願(出願番号:26036号)済みで、10月7日に出願公表された。種苗会社の(株)萩原農場がこのメロンの種子を販売する予定という。

詳しくはこちら

育成したマスクメロンの新品種「アルシス」(提供:農業・食品産業技術総合研究機構)