シリコン太陽電池の電極・配線、低コストで形成する技術を開発
:産業技術総合研究所/ナプラ

 (独)産業技術総合研究所は10月4日、(有)ナプラが開発した銅ペーストを用い、結晶シリコン太陽電池用の電極・配線を低コストで印刷製造できる技術を開発したと発表した。低温焼結するので太陽電池素子の熱損傷が少なく、剥離に対しても強く、低抵抗などの特徴があり、現行の銀ペーストに代わって用いれば、低価格化が求められている太陽電池の製造コストの削減になるという。
 ナプラの銅ペーストは、同社が独自に開発した粒子作成法によって得た低融点合金粒子と銅粉末とを混合して作製したもので、低温焼結できるのが特徴。印刷法を駆使した各種デバイス製造技術の開発に取り組んでいる産総研の研究グループは、この銅ペーストにスクリーン印刷低温焼結法を適用し、今回の技術を開発した。
 印刷形成したパターンの線抵抗率、接触抵抗率、大気中に放置したときの耐久性、耐酸化安定性、剥離強度などを調べたところ、太陽電池セル製造に要求されるさまざまな仕様に対して適合性が高く、銀ペーストに代替し得る高いポテンシャルを持つことが分かったという。
 太陽電池セルの加熱は性能劣化を招くため、低温焼結の意義は大きく、高い生産性も期待できる。今後、環境試験を行うと共に、長期耐久性、安定性を評価し、早期に製品化を目指したいとしている。

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