(独)農業・食品産業技術総合研究機構は6月30日、でん粉用と焼酎用のサツマイモ2品種を開発したと発表した。
新品種は、でん粉用が「こなみずき」、焼酎用が「サツママサリ」といい、共に同機構の九州沖縄農業研究センター(熊本・合志市)が開発した。
鹿児島県では、サツマイモ栽培面積の約4割にでん粉原料用の品種が作付けされ、それらから作られたでん粉の約8割が水飴などの糖化製品の原料に使われている。しかし、サツマイモから得られるでん粉は、輸入品のコ-ンスターチやタピオカから作ったでん粉に価格面で対抗できないという問題を抱えている。
今回の新品種「こなみずき」は、高品質で付加価値の高い国産でん粉の製造を可能にするもので、和菓子や練り製品などに使えるでん粉が得られるという。同機構は、鹿児島県や大学、でん粉メーカーと協力してこの新品種の普及に取り組んでいくことにしている。
もう一方の新品種「サツママサリ」は、焼酎用の最適品種と位置づけられているサツマイモ「コガネセンガン」より貯蔵性や害虫に対する抵抗性に優れ、甘くフルーティな焼酎が得られることからコガネセンガンと並ぶもう一つの焼酎用品種になるものと同機構では期待している。
No.2011-26
2011年6月27日~2011年7月3日