(独)農業・食品産業技術総合研究機構は11月4日、イチゴを守る新機構のパック(包装容器)を考案したと発表した。 この新パックは、果実同士が接触せず、傷つきやすい果肉部分が容器に触れないのが特徴で、長距離の輸送も問題なく行える。同機構は、引き続き専用の自動イチゴパック詰め装置の開発に取り組んでおり、パック詰め作業の省力化を合わせて実現したいとしている。 イチゴ生産の全労働時間は、10アール(100m2)当たり約2,000時間といわれ、他の農産物生産より労力がかかる。中でも労力を要するのが収穫作業と選別・パック詰め作業で、全体の約60%を占め、機械化が強く望まれている。 新パックは、つる(果柄:かへい)のついたイチゴを一個ずつ入れる収穫時用の個別容器と、「果柄把持パック」というつるを押さえてイチゴが壁面や他のイチゴに触れないようにする機能を備えた出荷用の容器を考案して実現した。イチゴは、つるの付いた状態で摘み取って、先ず一つ一つ個別容器に入れ、集まった個別容器入りのイチゴを自動パック詰め装置にかけ、つるをつかんで果柄把持パックに移し換え、出荷するというもの。イチゴは、摘み取りからパック詰めまで物に接触しないので損傷が少なくなる。 開発中の自動パック詰め装置は、1パックを現行の半分の約1分で処理できる見通しという。 イチゴは、海外にまで出荷されているが、そうした長距離輸送にうってつけと同機構では見ている。 詳しくはこちら |  |
イチゴの収穫時に使う個別容器(提供:農業・食品産業技術総合研究機構) |
|