日本の宇宙補給機「HTV」が大気圏に再突入、52日間の任務終える:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月2日、国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給などの任務を終えた日本の無人「宇宙ステーション補給機(HTV)技術実証機」が同日午前6時26分(日本時間、以下同)頃、ニュージーランド付近の高度約120kmの上空で大気圏に再突入したと発表した。機体と積んでいた約1.61tのISSからの廃棄物の大半は、大気圏で燃え尽きたが、ごく一部が南太平洋上に落下したとみられる。
 今年9月11日の打ち上げ以来、ほとんどトラブルなく、約52日間に及んだHTV初飛行の任務はこれで終了した。
 HTVは、我が国が初めて開発したISSへ補給物資などを運ぶための無人輸送機で、全長約10m、直径約4.4mの円筒型で、自重は約10.5t。約100時間単独飛行できる推進モジュールを備えている。補給物資搭載能力は、約6t。今度の初打ち上げでは、約4.5tの食料品や日米の実験装置などをISSに運んだ。
 9月11日の打ち上げは、JAXAの種子島宇宙センター(鹿児島・種子島)で行なわれ、新たに開発された「H-ⅡB」ロケットが使われた。
 HTVは、9月18日にISSとドッキング、物資補給後もISSと結合を続け、ドッキングから44日目の10月31日午前2時32分にISSから分離された。その後、11月1日深夜から同2日未明にかけて、軌道を下げるため、進行方向への噴射を3回行なって大気圏再突入に備えた。
 HTVは、今後、引退が予定されている米国の「スペースシャトル」に代わるISSへの物資などの輸送手段として、ロシアの「プログレス」補給船、欧州宇宙機関の欧州宇宙機(ATV)と共に活躍することになる。JAXAは、2015年まで年1回のペースで計6回の打ち上げを計画している。

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大気圏に再突入した「HTV」の想像図(提供:宇宙航空研究開発機構)