(独)農業・食品産業技術総合研究機構の果樹研究所は10月20日、「リンゴ」、「ブドウ」、「ウメ」、「クリ」、「アンズ」のそれぞれ新品種を開発したと発表した。
リンゴの新品種名は「もりのかがやき」。我が国のリンゴは、皮(果皮)の赤い品種が多いが、この新種の皮は黄色。生産者の間では、葉摘み、玉回し(リンゴの向きをかえて陽を当てること)などの着色管理が不要の黄色品種への関心が高まっていることから、そのニーズに応えようと開発した。主要品種の「ふじ」より3週間程度早く収穫でき、歯ざわりが良く、多汁で、糖度が高いのが特徴。同研究所は、「味が極めて優れている」と “太鼓判”を押している。
一方、ブドウの新種は、「クイーンニーナ」と言い、大粒で一粒が17gほどになる。ブドウは、「巨峰」、「ピオーネ」など大粒品種が好まれており、今回の新種により大粒ブドウのさらなる需要拡大が期待されるという。
「ウメ」、「クリ」、「アンズ」の新品種は、
▽ | 「ウメ」:品種名は「翠香(すいこう)」。近年、梅酒需要の高まりと共に、青梅を使った従来タイプの梅酒だけでなく、完熟の梅を利用する味を意識した梅酒が増えている。「翠香」の完熟果を使うと、酸味と香りの強い上質の梅酒・梅ジュースが作れるという。 |
▽ | 「クリ」:品種名は「美玖里」(みくり)。実は、28g程度と大きく、甘く香りが良いのが特徴。日本全国で栽培できる。 |
▽ | 「アンズ」:開発したのは2品種で、名は「サニーコット」と「ニコニコット」。これまでの国内産アンズは、酸味が強く生食に不向きというのが多かった。それに対し新品種は、共に甘みの強い生食用。前者は、太陽のように黄色く大きいアンズ(アプリコット)という意味で、後者は生産者も消費者もニコニコの笑顔になれる、としてそれぞれ名付けたという。両品種共、九州から北海道南部までの広い地域で栽培できる。 |