(独)産業技術総合研究所は10月21日、新しい部材や構造を用いた高信頼性で長寿命の太陽電池モジュール(パネル)の開発・評価のため、民間企業31社と共に「高信頼性太陽電池モジュール開発・評価コンソーシアム」を10月1日付けで発足させたと発表した。
同コンソーシアムには、旭硝子、カネカ、クラレ、積水化学工業、ダイキン工業、大日本印刷、デュポン、電気化学工業、東レ、日東電工、日立化成工業、富士フイルム、三井化学、三菱樹脂などが参加、太陽光発電技術研究組合が連携、(財)電気安全環境研究所など9機関が協力する。
太陽光発電のコスト低減には、発電効率のアップ、製造コストのダウンと並んで太陽電池モジュールの信頼性向上と長寿命化が不可欠。そして、信頼性や寿命は、太陽電池モジュールに使われる充填材、バックシ-ト、シール材、配線材などの周辺部材によるところが大きく、周辺部材メーカー各社で様々の研究開発が行なわれている。
今回のコンソーシアムは、新規の部材・構造を用いて作った太陽電池モジュールの性能評価のため生まれた。
具体的には、産総研と化学メーカー、部材メーカーを中心とする民間企業31社とが共同で、太陽電池モジュールの信頼性・寿命の支配的要因となるモジュール周辺部材について検討し、新規の部材・構造の有用性を検証する。
対象となる太陽電池は、主として結晶シリコン系太陽電池、薄膜シリコン系太陽電池、化合物薄膜系太陽電池の3種。コンソーシアム加盟各社が新規開発した部材などを用いて、産総研の施設で太陽電池モジュールを試作して産総研の評価設備を使った長期屋外曝露試験や加速劣化試験で耐久性などを評価する。関連データベースの構築も図る。これらの共同研究活動を通じて産業界の若手人材の養成も行う。期間は、2011年3月末まで。
No.2009-42
2009年10月19日~2009年10月25日