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老化した脳で作られる微小核が免疫細胞動かす―加齢に伴う脳の炎症反応や血管機能低下の理解促進へ:筑波大学

(2026年6月23日発表)

 筑波大学の研究チームは6月23日、老齢期の脳の神経細胞で小さな核の断片が形成され、この微小核が脳の炎症反応や血管機能の調節に関わっていることを見出したと発表した。

 哺乳動物の脳では、加齢に伴って炎症反応が引き起こされ、血管機能が徐々に低下していく。脳や脊髄に常在する免疫担当細胞であるミクログリアは、脳の老化状態を調節する重要な細胞として知られ、近年、胎生期から老齢期に至るまで、周囲の環境に応じてその性質を大きく変化させることが明らかになっている。

 研究チームはこれまでの研究で、発達期のミクログリアの性質の変化に神経細胞由来の微小核が関与していることを明らかにしてきた。しかし、微小核が老齢期のミクログリアの変化にも関与しているのかは詳しくわかっていなかった。

 今回、マウスを用いて老齢期の脳を観察した。その結果、若齢期と比べ、大脳皮質のより深いところで微小核の数が有意に増加していること、これら微小核は若齢期の微小核に比べて、DNAの含有量が非常に少ないという特徴的な性質を持っていることを見出した。

 透過型電子顕微鏡で微小核の形成過程を観察したところ、神経細胞の核膜が陥入する現象と微小核の形成が密接に連動していることがわかった。また、形成された微小核はミクログリアに取り込まれ、形態変化を引き起こすとともに、脳の炎症反応や血管機能の調節に関わる遺伝子群の発現を誘導することが明らかになった。

 今回得られた知見は、加齢に伴う炎症反応や血管機能の低下を理解する新しいメカニズムの解明につながることが期待されるとしている。