「繰り返し爆発」のメカニズムを解明し噴火モデルを構築―タフサイトが割れ目に貫入し溶結、過剰圧が再蓄積し噴火:産業技術総合研究所ほか
(2026年4月27日発表)
(国)産業技術総合研究所と九州大学の共同研究グループは4月27日、繰り返し爆発が起こるブルカノ式と呼ばれるタイプの噴火のメカニズムを解明したと発表した。
ブルカノ式噴火は、日本の火山でよくみられる噴火様式で、単発的な爆発が数時間や数日といった間隔において繰り返されるという特徴がある。マグマが噴火の際に通過する上昇経路を「火道」というが、その頂部に形成された溶岩の“蓋”が火山ガスを閉じ込め、その割れと修復の繰り返しが「繰り返し爆発」を引き起こすと解釈されている。しかし、短時間に“蓋”が形成されるメカニズムについては十分わかっていない。
研究グループは、九州南部にそびえる霧島山新燃岳の2018年噴火の終息後、火口近傍の岩塊と火口内壁の現地調査を実施。ブルカノ式噴火に特徴的な断続的爆発が繰り返されるメカニズムを物質化学的に探求した。
その結果、火口の内壁にタフサイト脈と呼ばれる脈が網目状に発達している様子や、火口近傍に大小さまざまなサイズで部分的に赤色に変化している岩塊が分布する様子を見出した。タフサイトは火山灰や火山礫で構成される岩石で、火山破屑岩や火砕岩など、火山性のバラバラな物質を指す。タフサイトが脈状に貫入したものはタフサイト脈と呼ばれる。
研究グループは、一連の調査結果から、タフサイトが割れ目に貫入し、“蓋”の深部において溶結することで割れ目が素早く修復され、過剰圧が再蓄積されるという新しい繰り返し噴火モデルを構築した。
詳しくは①爆発により火砕物が噴出する、②亀裂を利用して火山ガスや火山灰が放出される、③蓋の深部で岩石が塑性変形、タフサイトが溶結することで亀裂が癒着しガス通路が閉塞、岩石の強度も回復する、④火山ガス流出が停止しガス圧が再び蓄積。外部の大気が亀裂を利用して侵入し岩石を赤色酸化させる、⑤火山ガス過剰圧が蓋の強度を上回ると割れが発生、⑥再び爆発し赤い火砕物が噴出する、という内容。
2018年の噴火の際に採取した赤色の火山灰の特徴と照合することで、この仮説の蓋然性(がいぜんせい)の高さが検証されたという。離れた場所で採取される火山灰の解析から火口の状態を推定できることから、噴火推移の予測につながることが期待されるとしている。



